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世界初のGaN-HEMT開発 NEDO

NEDO
単結晶ダイヤモンド基板を使用
世界初のGaN-HEMT開発

国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は、高い熱伝導率を持つ単結晶ダイヤモンドを放熱基板に用いたマルチセル構造の窒化ガリウム高電子移動度トランジスタ(GaN-HEMT)を世界で初めて開発したと発表した。三菱電機、産業技術総合研究所との共同研究。

ダイヤモンドを放熱基板に用いたGaN-HEMTは、現在、薄膜化した窒化ガリウム(GaN)にダイヤモンドを製膜してウエハーを作製し、トランジスタを作りこむ方法が主流。ただ、GaNとダイヤモンドの熱膨張係数が異なるため、製造過程でウエハーが大きく反るという課題があり、サイズが大きいマルチセル構造のGaN-HEMT作製は困難とされてきた。

NEDOなどの研究チームは今回、シリコン基板を用いて作製したマルチセル構造のGaN-HEMTからシリコン基板を除去し、GaN-HEMTの裏面を研磨して薄く平坦に加工。その後、ナノ表面改質層を介した直接接合法によってダイヤモンド基板と接合した。研究チームはは今回、8つのトランジスタセルを並列に組み合わせたマルチセル構造を採用。放熱性の高い単結晶ダイヤモンドを放熱基板に用いて、マルチセル構造のGaN-HEMTの作製に成功した。

移動体通信基地局や衛星通信システムの高周波電力増幅器には、小型・軽量化や効率化などのため、高出力かつ高効率なGaN-HEMTの適用が拡大している。一方、GaN-HEMTには高出力動作時の発熱により電流が流れにくくなり、本来のGaN-HEMTが持つ性能を発揮できないという課題があった。

NEDOは、今回開発したGaN-HEMTを搭載することにより、高周波電力増幅器の出力密度・電力効率が向上し、移動体通信基地局や衛星通信システムなどの低消費電力化への寄与を見込む。

開発したGaN-HEMTの断面構造
日刊金属

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