アルミVISION2050を策定 迫力あるアルミ産業の未来構想を描く 日本アルミニウム協会

日本アルミニウム協会
アルミVISION2050(仮称)を策定
迫力あるアルミ産業の未来構想を描く

(一社)日本アルミニウム協会は25日、大阪市北区のウェスティンホテル大阪で定例の記者会見と懇親会を開催した。記者会見には石原美幸会長(UACJ社長)、山本博副会長が出席した。

はじめに、事務局の田端祥久専務理事が、先立って開かれた理事会での議決事項などを報告した。まず、日本アルミニウム協会はアルミニウムの国際イニシアティブであるASI(Aluminum Stewardship Initiative)の正式メンバーとなることを議決。また、欧州アルミ協会や米国アルミ協会がアルミ産業の課題と長期ビジョンを公表していることを踏まえ、「アルミVISION2050(仮称)」を策定。2050年を念頭に置き、アルミ産業の果たすべき役割を整理しつつ、産業の長期的な在り方を構想し提示した。

石原会長は、「先行して動いている『アルミニウム技術戦略ロードマップ』の取りまとめを令和2年3月に控え、『温暖化対策長期ビジョン(2050年)』も年度内にまとめるべく検討中。この好機を捉えることで、現実感を伴った迫力あるアルミ産業の未来構想が描ける。環境特性に優れたアルミの特性を強く社会に印象付け、アルミ産業の果たす役割を訴えたい」と策定の意志を説明した。

続いて、新入会員の紹介、中堅中小会員懇談会開催、2019中国アルミフォーラムの開催案内、令和元年度日本アルミニウム協会賞の公募、第9回「アルミと未来」絵画コンクール募集などの事業活動を報告した。

8月のアルミニウム圧延品の生産出荷概況は板類、押出類がマイナスに反転、アルミはくは生産、出荷ともに7か月連続でマイナスとなった。質問に答えた石原会長は「下期も不透明な状況が続き、大きく好転することは望めない。現状の水準で推移するだろう」と見通しを述べた。

アルミはくについて、山本副会長は、「スマホ、EVなどコンデンサ向けの出荷は減少幅が縮小の傾向にある。これ以上落ちることはない。ただ、中国からの余剰はくの輸入増加が脅威。品質も向上、納期対応力も増している」と説明した。

続いて開かれた懇親会では、冒頭のあいさつで石原会長が「アルミニウムは夢を実現できる優れた素材。最も優れた特性であるリサイクル性を象徴するのがオリンピック、パラリンピックのトーチだ。東日本大震災の仮設住宅で使ったアルミサッシが集められ、原料の一部となって押出加工、色付けされて、美しいデザインのトーチに生まれ変わった。アルミの特性が社会の様々なところで活かされて行く。これが我々の夢でもある」と述べた。

日刊金属

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