日本電線工業会
19年度銅電線需要見通し
前年度比0.9%増の70.4万トン予測
日本電線工業会は25日に記者会見を開き、2019年度の銅電線出荷数量見通しの改定値を発表した。新たな出荷数量見通しは、前年度比0.9%増の70万4,000トンとし、4月時点の70万7,000トンからやや引き下げた。予測値通りに出荷が進めば、14年度以来5年ぶりに70万トン台を回復する。同会は、高水準の状況が続くと説明した。
内外需別の予測値は、内需が前年度比1.5%増の68万6,000トン、輸出が同17.8%減の1万8,000トン。
半期別では、上半期と下半期がともに35万2,000トンで推移するとの見立てを示した。下半期は、前年同期比1.0%減少すると予想。同会は、公共工事が年度末に行われていたことから下半期が高く出やすかったが、最近はその傾向が変わった点、東京オリンピック需要は上・下半期の別なく発生している点、人手不足で需要が平準化している点をそれぞれ挙げた。
部門別では、電力と自動車、建設・電販の3部門で前年度比プラス成長を同会は予想した。主要出荷先の建設・電販は、前年度比3.5%増と設定。東京オリンピック関連や首都圏再開発需要、防災・減災・国土強靭化の緊急対策に伴うインフラ更新工事向け需要が堅調に推移すると見る。伸び率は、当初予測の2.0%から1.5ポイント上方修正した。
自動車は0.8%増加と予想。国内では消費増税前の駆け込み需要は限定的と同会は予測した。電力は、送電系の更新設備は堅調と見て、0.2%増と予想。ただ、配電系設備投資が低調として、当初見通しから伸び率を引き下げた。通信は前年度並みとした。
マイナスと予想したのは、電気機械とその他内需。電気機械は、重電で設備更新需要が低調、電子・通信は中国市場の低迷と国内市場の伸び悩み、電装品は世界自動車生産台数の低迷がマイナス要因になると、同会は分析。当初見通しの2.0%のプラスから3.4ポイント引き下げ1.4%減少と見る。その他内需は、鉄道関連需要が18年度並みになるものの、その他需要の低迷で、0.4%減少とした。
アルミ電線の19年度出荷数量見通しは、前年度比6.4%減の2万8,000トン。当初見通しを据え置いた。
■中期銅電線需要見通し
日本電線工業会は、2023年度の中期電線需要見通しも発表した。23年度は、18年度実績に比べ0.6%増の70万2,000トン、18~23年度の年平均伸び率は0.1%と予想した。アルミ電線は、23年度が3万1,000トンで、18年度実績比.7%増加、18~23年度の年平均伸び率は0.7%とした。銅電線の部門別需要について、同会は、建設・電販が0.3%、電気機械が0.4%、電力が2.0%それぞれ増加すると推定。一方、マイナス部門として、通信が2.1%、自動車が2.3%、その他内需が0.1%それぞれ減少すると予想した。