(一社)日本伸銅協会がまとめた2019年8月の伸銅品生産数量(速報値)は5万3,457トンで、前年同月比10.8%減少した。対前年比でのマイナスは9か月連続。前月比では20.1%減少した。同会は、需要動向については大きな変化はない中、複数の品種で夏季休業による稼働日減少の影響が見られたと分析した。
主要14品種中、プラスは銅板(18.4%増)、黄銅板(12.1%増)の2品種にとどまった。銅条は前年同月比11.6%減の1万7,427トンで、7か月連続のマイナス。ディスクリート半導体や自動車端子・コネクター向けは、海外の自動車需要の減少を受け、生産も減速傾向が続いた。銅管は2.3%増の7,041トンで、2か月ぶりのマイナス。ルームエアコン出荷は7月の低温を受けた不調から8月は猛暑で堅調に戻りつつあると同会は説明した。
黄銅では、黄銅棒が10.3%減の1万3,285トンで、8か月連続のマイナスとなった。住設関連機器は、東京オリンピック・パラリンピック需要でも目立った動きは見られていない。黄銅条は11.8%減の6,722トンで、7か月連続のマイナス。コネクター向けは、中国や東南アジアでの家電需要が大幅な前年割れとなっている影響を受けた。
青銅では、青銅板条が24.7%減の1,877トンと低迷が継続。スマートフォン等向けコネクターは海外需要も含め総じて低調。中国や東南アジアでの家電需要減少もマイナス要因となった。対前年同月でのマイナスは13か月連続となった。
同協会が発表した2019年7月の伸銅品出荷数量は、前年同月比2.1%減の6万7,362トンで、9か月連続のマイナス。一方、前月比では6.6%増加した。内需向け出荷は1.2%、輸出向けは6.2%それぞれ減少した。内需向けは8か月連続、輸出は9か月連続で前年同月の実績を下回った。