日本軽金属(岡本一郎社長)はこのほど、ホウ砂とアルミニウムを利用した水素化反応による固体水素化ホウ素ナトリウム(SBH)の新しい合成方法の開発に成功したと発表した。
静岡県先端企業育成プロジェクト推進事業(採択年度:2016年度から18年度)の助成を受け、国立研究開発法人産業技術総合研究所との共同研究開発により合成化を実現した。
SBHは強い還元作用を持つケミカル剤で、使用後にメタホウ酸ナトリウムとなる。同社は、この反応が新製法の原料に利用でき、SBHの再生が可能であることを実験で確認した。
既存の工業製法では、反応性が高く危険な金属ナトリウムを主原料とし、精製に液体アンモニアを用いることから高コストな薬剤だが、同社は、新たに開発した新製法でより安価に大量生産できる可能性を秘めていると説明した。
同社は今後、量産技術を確立し、既存のケミカル剤市場への新規参入を目指す。固体SBHは、水素発生能力が1キログラム当たり2,400リットルと高い水素キャリア能力をもつ事も知られていることから、将来的には水素エネルギー社会への寄与を念頭に研究開発を継続する考えだ。