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輸送費高騰で需要家に負担協力を要請 日本電線工業会

日本電線工業会
電線輸送費高騰で価格負担
需要家側に協力要請

日本電線工業会は、電線の輸送費が高騰していることから、値上がり分の負担を建設など需要家側に求める方針を決めた。同会は、関連団体に文書を送付しており、要請活動を強化する。

同会が作成した文書では、会員企業の約3分の2で電線の輸送経費が過去半年間に20%超上昇していると説明。会員企業も、可能な限りコストダウンを進めて輸送サービスの維持に努めているものの、輸送費の高騰だけでなく電線の輸送数量制限や集荷締め切り時間の切り上げで、翌日配送等の短時間納入が困難になっており、輸送サービスの水準を維持することすら難しくなっていると現状を明かした。

同会は、取引適正化ガイドラインの中で、会員企業の事業の収支相償を図ると強調。特殊配送等の費用といった必要なコストは回収すべきとの観点から、需要家にも応分の負担を要請。取引基本契約の中で適正な契約条件を明確化するとともに、契約条件の厳守を求めた。

軒先渡し車上渡しといった契約条件を超える配送、重機等特別の運搬手段を要する配送、休日・深夜の配送、即時配送等について、需要家への負担を求める場合もあると説明。輸送経費を本体価格と別建てにするかを含め、輸送経費の負担方法や取引条件は会員企業と需要家各社との個別かつ自由な交渉によるべきとの基本的立場を示した。

同会は、運送業界の人手不足や働き方改革が進められる中、輸送費の高騰への対応を重ねて求めた。