独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)がまとめた2019年9月の亜鉛市況動向では、強弱交えた指標等を受け、ロンドン金属取引所(LME)の亜鉛相場は2,300ドル台で推移した。
亜鉛相場は、月初2,238.5ドルでスタート。5日には2,300ドル台に回復し、月半ばまで緩やかな上昇傾向を辿った。8月のLMEは、供給が増えて概ね順ざやで推移したものの、9月は逆ざやの値動きに戻った。LME在庫も減少傾向を辿り、サマーシーズンが過ぎた欧州を中心に取引が活発化した。
中旬は、16日発表の中国8月鉱工業生産の伸びが17年半ぶりの低水準となったことを受け、中国需要の減退が懸念された。LME在庫は減少傾向で足元の需要も好調であったが、価格は弱含み。下旬は2,300ドル前後で横ばい推移した。
月末は、亜鉛取引が活発なことや、中国製造業購買担当者指数(PMI)が予想を上回った数値であったことから、需要減退懸念が緩和。26日以降3日連続で上昇して2,377.0ドルで月をまたいだ。
主要鉱山操業状況では、ニューモント・ゴールドコープが、年産20万5,000トンのメキシコ・Peñasquito鉱山について、トラック請負業者等による道路封鎖により再び操業停止したと16日に報じられた。
関連情報では、中国政府が国内の鉛亜鉛鉱業について規程する鉛亜鉛産業規範条件について、適応範囲を緩和する方針であることを明らかにした。これまでは、需給の適正化を目的に中小企業を淘汰するような内容であったが、中小企業も操業しやすい方針に変更する。一方、環境基準については引き上げ、鉛亜鉛産業の環境配慮型成長、イノベーション成長を求める。