国際銅研究会(ICSG)はこのほど、2019年上半期(1~6月)の世界の銅需給予測をまとめた。銅地金生産量(二次スクラップ含む、1,174万トン)から見掛け消費量(1,196万トン)を差し引いた結果、22万トンの供給不足と算出した。供給不足幅は、前年同期の17万7,000トンから拡大した。
1~6月の鉱山生産量は991万9,000トンで、前年同期(1,005万8,000トン)比1.4%減少。チリでは鉱石の品位低下が続き、2.5%減少、インドネシアは、主要2鉱山の生産が通常の水準に落ち着いたことから、55%減少した。一方、ペルーや豪州、中国、コンゴでは生産量が増加した。稼働率は80.2%で、前年同期から1.4ポイント低下した。
銅地金生産量(二次スクラップ含む)は、前年同期(1,187万1,000トン)に比べ1.1%減少。チリでは新たな環境規制に対応した一時的な操業停止が影響し、15%減少。インドは、前年に精錬所が閉鎖したことを受け対前年比で33%のマイナスとなった。一方、中国・豪州・ブラジル等の増産で、全体の下げ幅は縮小した。
銅の見掛け消費量は、前年同期の1,204万7,000トンから0.7%減少。中国は見掛け消費量が3%程度増加。一方、中国以外が3%のマイナスだった。インドや台湾では需要が増えた一方、欧州連合(EU)や日本、でマイナスとなった。