三菱伸銅株式会社(堀和雅社長)は、耐食性に優れた新製品エコブラスECO-CRを発売すると発表した。
エコブラスシリーズは、鉛を添加することなく快削性を向上させた鉛フリー快削黄銅。2002年にエコブラスを発売後、今年5月には世界販売累計30万トンを達成し、延べ約9,000トンの鉛量削減により、環境に与える負荷の軽減に貢献してきたと同社は説明する。
2015年には流水環境での耐エロージョン性(機械的耐食性)に優れたSnECOを追加し、水栓用途での性能向上を図る中、同社は市場ニーズに対応し、耐コロージョン性(化学的耐食性)を大幅に向上させたECO-CRを発売した。ECO-CRは水回り用途などの腐食環境に対する信頼性が高く、耐脱亜鉛黄銅と同等以上の耐食性を有するのが強み。欧州標準化委員会が規格化した銅合金規格で、化学成分は亜鉛21%、シリコン3%、鉛0.1%以下に対応。加えて大手水栓メーカーの厳しい基準に合格して材料認定を受けた。
同社は今後、水素脆化耐性の高い銅合金の特徴を生かして、耐水素用途の高圧バルブなどに使用可能な、耐摩耗性も兼ね備える高強度エコブラスの開発を進行中。高強度エコブラスはオーステナイト系ステンレス並みの高い強度を有し、部材の軽量化・省資源化が可能となり、被削性にも優れることからコストダウンにつながると、同社は期待する。