(一社)日本伸銅協会(松下彰会長)は、29日、2019年9月2019年9月の伸銅品生産速報ならびに2019年8月度出荷動向を発表した。
9月度生産速報によると、伸銅品生産は6万1,930トン、対前年比で8.0%減(対前月比は16.0%増)となっており、前年同月比が10か月連続のマイナスとなった。全14品種中、対前年比プラスの品種は「銅板」「銅線」「黄銅板」の3品種にとどまった。
主要品種の動向としては、銅条の生産が2万0,816トンで対前年比6.7%減(対前月比20.9%増)で8か月連続の対前年比マイナス。半導体は、IC分野で一部底打ち感が見られるもののディスクリート(単機能素子)分野での調整が続いており回復感に乏しい。自動車端子・コネクタ分野は、海外自動車メーカーに減速感がある。
黄銅条の生産は7,680トン、対前年比18.7%減(対前月比14.6%増)で8か月連続の対前年比マイナス。民生用コネクタは中国をはじめ海外各国で電子部品の出荷が大幅な前年割れとなっており低調が続いている。
青銅板条の生産は2,147トン、対前年比10.4%減(対前月比14.0%増)で14か月連続の対前年比マイナス。スマートフォン向け需要は、一部新機種で立ち上がりも見られるが全体としては回復感に乏しい。中国を中心とし電子部品の集荷が大幅な前年度割れとなっており低迷が継続している。
銅管の生産は9,114トン、対前年比3.9%減(対前月比29.3%増)で2か月連続の対前年比マイナス。ルームエアコンの出荷は8月の猛暑で回復、堅調傾向にある。パッケージエアコンについては学校向け案件の継続により堅調に推移。
黄銅棒は1万4,306トン、対前年比5.3%減(対前月比8.0%増)で2か月連続の対前年比マイナス。住宅設備機器は消費税増税前の目立った動きがなく全般に低調。ガス機器や水栓金具などでは立ち上がりの兆しも見られる。
8月度の出荷動向としては、伸銅品の出荷量が5万4,025トン、対前年比11.7%の減(対前月比19.8%減)で10か月連続の対前年同月比マイナス。冷凍機のみが対前年比プラスで内需向けは対前年比10.8%減で9か月連続の対前年比マイナス。輸出向けは対前年比15.8%減で10か月連続の対前年比マイナスとなった。