第2四半期決算
住友金属鉱山
住友金属鉱山(野崎明社長)の2020年3月期第2四半期連結累計期間(2019年4月~2019年9月)の売上高は前年同期比9.5%減の4,224億0,400万円、税引前利益は同50.3%減の363億6,500万円、四半期純利益は同49.4%減の293億8,600万円だった。
期間の世界経済は、米中貿易摩擦の激化により先行き不透明感が強まったことを背景に減速基調で推移。為替相場ではこれに加え、日米の金利差が縮小したことなどで円安ドル高が進んだ。主要非鉄金属の価格については、銅価格が概ね下落基調で推移、金価格は上昇基調にあった。ニッケル価格については概ね下落基調で推移していたものが、インドネシアの鉱石輸出規制前倒しなどに起因する供給懸念で上昇基調に転じた。材料事業関連では中国市場の需要不振が顕在化したものの、車載用電池部材の需要は引き続き堅調に推移した。スマートフォン市場は成熟期に入りマイナスに転じている。
セグメントごとに見ると、資源セグメントでは、売上高が23.4%減の552億6,400万円、セグメント利益が55.6%減の165億2,700万円。銅価格の下落などで減収減益。主要鉱山の概況を見ると、菱刈鉱山の金販売量は計画量6トン中2.7トン、米国・モレンシー銅鉱山の生産量は前年同期並みの21万9,000トン。ペルーのセロ・ベルテ銅鉱山生産量は給鉱品位の低下などにより前年同期を下回る22万7,000トン、チリ・シェラゴルダ銅鉱山の生産量は処理量の増加などにより前年同期を上回る5万3,000トンとなった。
製錬セグメントでは、売上高が9.0%減の2,960億6,000万円、セグメント利益は31.5%減の176億5,200万円の減収減益。金及びニッケルの価格は上昇したものの銅価格が下落したことや在庫影響、電気銅や電気ニッケルの販売減が影響。電気銅の生産量は前年同期を下回ったが電気ニッケルの生産量は前年同期を上回っている。Coral Bay Nickel Corporationは順調な操業を継続、Taganito HPAL Nickel Corporationは操業状況が改善、生産量は前年同期を上回っている。
材料セグメントでは、売上高が2.5%増の1,092億1,000万円、セグメント利益が75.2%減の28億3,300万円の増収減益。セグメント利益の減少は、車載向け需要の増加を背景に電池材料の販売は増加したものの、在庫評価、粉体材料の販売減少、結晶材料の需要家在庫調整の長期化などが影響した。
2020年3月期通期のセグメントごと連結業績予想は、資源セグメントが売上高1,090億円、セグメント利益290億円。製錬セグメントが売上高6,020億円、セグメント利益540億円、材料セグメントが売上高2.270億円、セグメント利益70億円。全体としての連結売上高が8,570億円、税引前利益が790億円、純利益が600億円に見直された。
主要な非鉄金属価格は、足元の水準を考慮、将来の需給バランスを予測して見直された。全体として、銅、ニッケルの需給は、ほぼ均衡もしくは若干の供給不足と見込まれ、銅価格およびニッケル価格は適正な水準を維持すると見られる。材料事業においては、車載、通信分野ともに、中長期的には堅調な成長が見込まれているものの、米中貿易摩擦などのよる景気動向の不透明感から一部の製品では調整局面が継続する可能性があるとしている。