JXTGホールディングス(杉森務社長)の2020年3月期第2四半期の連結業績の売上高は前年同期比6.8%減の5兆0,630億6,900万円、営業利益は同70.3%減の1,308億6,500万円、税引前利益は同72.2%減の1,178億7,800万円、四半期純利益は同75.1%減の710億3,800万円だった。
期間中、米中貿易摩擦の激化による景気減速の顕在化、英国のEU離脱を巡る混乱の影響が見られるものの、米国や欧州は安定した雇用情勢と所得環境から個人消費が堅調で世界経済は底堅く推移した。日本経済おいても、輸出の弱さが長引いているものの雇用、所得環境の改善が続くなか、穏やかな回復基調が継続した。原油価格については、OPECの協調減産やサウジアラビアの石油施設攻撃で供給リスクが高止まり、高騰する場面もあった。1バーレルが期初68ドルから期末61ドル、期平均64ドルで、前年同期比9ドル安となった。銅の国際価格(LME)は、1ポンド当たり期初295セントから期末260セント、期平均270セントで同24セント安となった。円の対ドル相場は期初111円から期末108円で期平均109円、同1円の円高となった。
主要なセグメントを見ると、エネルギーセグメントでは、売上高が7.9%減の4兆2,804億2,300万円、セグメント利益が85.7%減の491億7,500万円。国内の石油製品需要は、自動車の低燃費化など構造的変化で減少、国内海外ともに前年同期に比べ市況は悪化している。石油化学製品についてもパラキシレン、ベンゼンともに市況は悪化。
石油・天然ガス開発セグメントでは、売上高が16.5%減の590億8,500万円、セグメント利益は30.3%減の248億2,600万円。原油および天然ガスの生産については、新規に生産を開始したプロジェクトもあったが油田・ガス田の自然減退などの影響で全体としては減少、販売価格も原油市況を反映して下落した。開発・生産事業については、JX石油開発が100%出資する英国法人JX Nippon Exploration & Production (U.K.) Limitedが権益を保有すカリーンガス田で天然ガスの生産を開始、同じくマリナー油田で原油生産を開始した。
金属セグメントでは、3.6%減の4,990億8,000万円、セグメント利益は13.3%減の352億2,500万円。資源開発事業ではチリ・カセロネス銅鉱山の生産量が増加。銅製錬事業では銅鉱石の買鉱条件が悪化したものの硫酸の販売価格が上昇。電材加工事業では、スマートフォン関連需要が調整期に入ったことから販売量は低調に推移。環境リサイクル事業では、スクラップ市況の回復を背景にリサイクル原料の集荷量が増加。チタン事業では、金属イチタン製品は概ね堅調に推移したものの機能化学品のうち電子部品材料の販売が前年を下回った。
前回(5月13日)公表した連結決算予想は今回修正、売上高が11兆5,000億円から10兆4,000億円に、営業利益が5,500億円から2,800億円に、税引前利益が5,150億円から2,500億円に、純利益が3,200億円から1,550億円にされた。