古川機械金属グループの古河キャステック(大久保昌範社長)は、この程、一般財団法人素形材センタ―主催の第35回素形材産業技術賞において、同社の“アルミ鋳造用耐溶損技術の開発”が、極めて優秀で素形材産業技術の進歩向上に著しく貢献したとして、経済産業大臣賞を受賞した。
“アルミ鋳造用耐溶損技術の開発”は古河キャステックと日産自動車が共同開発したもの。自動車エンジンのシリンダヘッド鋳造工程で起こっている、①金型内の薄肉部分にアルミニウム合金溶湯が流れ込まない鋳造不良現象と、②溶損現象により金型入口が浸食され寿命が短くなるという2つの課題解決を目的としている。
金型内において高温となる入口部品湯口ブッシュに、アルミニウム合金溶湯と接触する部品内面に高断熱な保護膜を持つ、古河キャステック製トケナイトを用いることで、溶湯温度の低下を防止して流動性を保持、金型薄肉部分まで安定的にアルミニウム合金溶湯を供給することができ、鋳造不良を削減するとともに、部品の耐久性を向上させた。
これにより、金型交換や保守作業を低減し生産効率が大幅に改善。コスト低減による経済性の向上だけでなく、資源削減による省資源・省エネ効果も大きく、環境にも配慮していることなどから高い評価を受けた。
なお、経済産業省の本館1階ロビーで2019年11月11日から12月13日まで、本年度の素形材産業技術賞受賞の開発内容・製品として展示されている。