神戸製鋼所は、100%出資の連結子会社であるコベルコ鋼管の全株式を丸一鋼管に譲渡する、と発表した。
神戸製鋼グループは、今年5月15日公表の中期経営計画ローリングにおいて、素材系・機械系・電力の3本柱の事業体確立に向けた2019~20年度の重点テーマとして、素材系を中心とした収益力強化と資本コストを意識した『経営資源の効率化』と『経営基盤の強化』の2点を掲げている。
コベルコ鋼管は、1996年に神鋼特殊鋼管として神戸製鋼から独立したが、2016年に現社名へ変更し、シームレスステンレス鋼管、精密細管、特殊管の製造販売、チタン溶接管の製造を行っている。神戸製鋼としては、同社がこれまで培ってきたシームレスステンレス鋼管の技術・ノウハウを活かしつつ、将来の成長、発展に向けた最適な施策をとるための検討を重ねてきたが、今回、同社が丸一鋼管グループの一員として、新たな観点での収益力強化や海外拠点を活用したグローバル展開に取り組むことが、将来にわたる一層の事業の拡大と成長を実現するために有効であると判断した。
丸一鋼管は米国やアジア地域での成長を目指し、積極的に海外への工場進出を推進 してきた溶接鋼管業界のトップメーカーであり、国内での新たな商品分野への進出を検討している。
なお、今回の譲渡に伴い、コベルコ鋼管は神戸製鋼の連結子会社から除外されることになる。