一般社団法人日本伸銅協会(JCBA)は3日、2019年10月の伸銅品生産出荷動向(速報)を公表した。これによると、10月の伸銅品生産は6万3,346トン、対前年比13.5%減、対前月比3.3%増で、前年同月比で11か月連続のマイナスとなった。8月以来二桁のマイナスが続いている。全14品種中対前年比増は銅板1品種のみであった。
主要品種の動向を見ると、銅条が2万1,261トン、対前年比13.4%減、対前月比3.2%増で9か月連続の対前年比マイナス。うち、半導体はIC分野で一部底打ち傾向が見られるもののディスクリート分野で調整が続いており回復感に乏しい。自動車端子・コネクタ分野については、地域により状況は異なるが、海外自動車メーカーの低調を背景に減速している。
黄銅条は7,706トン、対前年比25.8%減、対前月比1.0%増で、9か月連続の対前年比マイナス。うち、民生用コネクタ分野
については中国をはじめとする世界的な電子部品出荷の大幅前年割れの影響で低迷している。
青銅板・条は2,262トン、対前年比10.6%減、対前月比5.0%増で15か月連続の対前年比マイナス。うち、スマートフィン向け需要では、一部新機種の立ち上げリも見られるが、昨年に比べ総じて低調。電子部品の世界的な大幅前年割れによる低迷が依然続いている。
銅管は8,977トン、対前年比13.1%減、対前月比0.4%増で3か月連続の対前年比マイナス。うち、国内エアコン生産は、ルームエアコン需要が堅調であるにも拘わらず9月に前年を大きく下回った。エアコン用途外の分野でも継続して低調。銅管生産は前年比マイナスとなった。パッケージエアコンは学校向け案件があり堅調に推移。
黄銅棒は1万5,012トン、対前年比6.9%減、対前月比6.8%増で3か月連続の対前年比マイナス。うち、ガス機器や水栓金具では一部需要期に向け立ち上がりが見られるものの、全体的な力強さには乏しい。住宅設備機器は全般に動きが鈍い。
9月の伸銅品出荷は5万9,947トン、前年同月比7.5%減で11か月連続の対前年同月比マイナスとなった。対前月比は11.0%増。ガス機器、輸送機器、建設業の3分野で対前年比増。内需向けは対前年比6.6%減で10か月連続の対前年比マイナス。輸出向けは対前年比12.2%減で11か月連続のマイナスとなっている。