日本鉄リサイクル工業会(JISRI)の市況報告によると、11月の国内鉄スクラップ相場は、海外相場の反転を追い風に底打ち反発した。国内相場の全国的な上昇は3月以来、8か月ぶり。
月末のH2炉前渡しは関東が前月比1,000円~1,500円高の23,000円~24,000円、関西が同1,500円~2,000円高の23,500円~24,500円へと値戻しが進んでいる。
海外では10月下旬からトルコ向け市況が上昇へ転じ、11月末の同国向け米国産HMS成約価格は260ドル(CFR)と底値から34ドル切り上がっている。これとともにアジア・マーケットでも新規商談価格は値上がりし、日本産H2の韓国向け輸出FOB価格は前月比2,500円~3,000円高の24,500円~25,000円へ上昇している。
今後も海外相場の上伸が期待される一方、国内では電炉鋼の粗鋼生産が10月まで8か月連続で前年同月比マイナス推移するなど需要の回復は遅れている。国内鉄スクラップ相場は長期の下落局面をようやく脱したものの、反発は力強さを欠いており、海外相場の上昇に依存する不安定な状況となっている。