日本製鉄は、同社のチタンローフィンチューブが、舶用冷凍・冷蔵機器のパイオニアである日新興業の漁船向け舶用冷凍機の熱交換器に初めて採用された、と発表した。
チタンローフィンチューブは、チタン管表面に転造でフィンを成形することによって通常管に比べ約2~3倍の伝熱面積を実現した製品。伝熱面積を増やしたことにより、熱交換(冷凍)能力のアップや熱交換器の省スペース化に寄与し、またチタンの持つ優れた耐食性により、海水やアンモニアなどの腐食しやすい冷媒を使った、舶用冷凍機の熱交換器や空調設備にも適用可能。
漁船などの舶用冷凍機の熱交換器は、冷媒の冷却、液化を担う凝縮器では海水を使用している。この凝縮器において、冷媒と海水との間で熱交換を行う伝熱管にフィン加工したチタン管を採用することによって、海水に対する耐食性と設備の省スペースの両方を兼ね備え、漁船冷凍機の信頼性向上と長寿命化に貢献する。
この数十年でマグロやカツオは世界的に消費量が増加している。また、漁獲鮮度向上のニーズもあり、漁船向け舶用冷凍機の需要は堅調に推移している。チタンローフィンチューブは、2018年に本格的に販売開始してから漁船4隻に採用されている。今後も舶用冷凍機用途だけでなく、漁港関連や食品関連、空調設備等での用途拡大を進めていきたい考えだ。