一般社団法人日本伸銅協会(JCBA)は、このほど、2019年11月伸銅品生産推移の速報と2019年10月伸銅品出荷推移を取りまとめ公表した。これによると11の伸銅品生産は6万2,011トン。前年同月の7万1,649トンに比べ13.5%減となり12か月連続のマイナス。前月の6万3,083トンに比べ1.7%減。品種別では銅線を除く総ての品種が前年比マイナスとなった。
生産推移を特徴的な品種について見ると、銅条の出荷は2万0,753トンで前年同月の2万4,199トンに比べ14.2%減。10か月連続の前年比マイナス。前月比では1.5%減。半導体のIC分野は回復の兆しがあるもののディスクリート半導体の調整が長引いている。自動車端子・コネクタはまちまちの情勢。総体で依然弱含み。
黄銅条も10か月連続の前年比マイナス。出荷は7,868トン、前年同月の9,328トンに比べ15.7%減、前月比は2.5%増。海外自動車メーカーの調整に加え、世界的な電子部品出荷の大幅減少で民生用コネクタ分野が低迷。
青銅板・条は16か月連続の前年比マイナス。出荷は2,208トン。前年同月の2,411トンに比べ8.4%減。前月比も2.6%減。スマートフォン向け需要は回復傾向にあるが前年に比べ未だ勢いを欠く。世界的な電子部品の出荷減少もあって低迷が続いている。
銅管の出荷は8,841トン、4か月連続の前年比マイナス。前年同月の9,774トン比べ9.5%減。前月比も1.2%減。ルームエアコンの需要は堅調だが消費増税後のエアコン国内生産は前年を大きく下回った。エアコン以外用途も低調。パッケージエアコンは学校向け需要が旺盛で堅調。
黄銅棒の出荷は1万4,586トン、4か月連続の前年比マイナス。前年同月の1万6,595トンに比べ12.1%減。前月比は2.4%減。住宅設備関連でガス機器や水栓金具が需要期であるにも拘わらず盛り上がりを欠いた。LPGバルブを除きバルブも依然低調。
10月伸銅品出荷量は6万3,792トン。前年同月の7万3,438トンに比べ13.1%減で12か月連続の前年比マイナス。前月比は6.4%増。うち、内需向けの出荷は5万3,516トン。前年同月の6万0,674トンに比べ11.8%減で11か月連続の前年比マイナス。前月比では5.7%増。輸出は1万0,276トン。前年同月の1万2,764トンに比べ19.5%減で12か月連続の前年比マイナス。前月比では10.2%増。