日本製鉄と日鉄ステンレス鋼管が製造・販売する高圧水素用ステンレス鋼HRX19が、東京ガスと日本水素ステーションネットワーク合同会社が共同で建設し、1月16日に開所した豊洲水素ステーションに採用された。同ステーションの設備設計・建設工事は、東京ガスケミカルが担当した。
HRX19は、日本製鉄が開発した高強度オーステナイト系ステンレス鋼で、日本製鉄グループにおいて素材から最終製品まで一貫した品質保証体制のもとで製造・販売している。高圧水素環境下においても水素脆化を起こさないことから、水素ステーションの長寿命化・安全性向上を実現する。
また、高強度であることから配管の薄肉設計と内径の拡大がはかられ、水素の大流量化・高速充填が可能となった。さらに、溶接部においても母材と同等の強度・耐水素脆性をもつため、数多くの継手部を従来の機械式継手から溶接施工とすることが可能で、水素ステーションのコンパクト化に寄与する。加えて、継手部からの水素漏れリスクを排除し、施工およびメンテナンスコストの低減にも貢献する。以下の3つの優れた性能が評価され、これまで全国約50箇所の水素ステーションに配管として採用されている。