(一社)日本伸銅協会(JCBA)は、さきごろ2019年12月の伸銅品生産動向(速報)をまとめ公表した。これによると、19年12月の伸銅品生産量は6万0,146トン。前年同月の6万5,510トンの91.8%で13か月連続のマイナスとなっている。前月比は97.5%。全14品種中銅板、黄銅板の2品種のみが前年同月比プラスであった。
主要品種の動向を個別に見ると、銅条が1万9,661トン。前年同月2万1,357トンの92.1%で11か月連続の前年同月比マイナス。前月比は95.6%。半導体IC分野に加えディスクリート分野でも回復傾向が見られるものの、自動車端子・コネクタは地域や車種によってまちまちでやや弱含み。総量的な回復には至っていない。
黄銅条は7,395トン。前年同月8,782トンの84.2%で11か月連続の前年同月比マイナス。前月比は94.4%。海外自動車メーカーの調整に加え電子部品出荷の世界的に低迷しており民生用コネクタが低調だった。
青銅板条は2,046トン。前年同月2,341トンの87.4%で17か月連続の前年同月比マイナス。前月比は92.3%。スマートフォン向け需要は回復傾向にあるが、デジタル家電の需要が世界的に低迷してマイナス。
銅管は8,671トン。前年同月9,346トンの92.8%で5か月連続の前年同月比マイナス。前月比は99.2%。消費税増税後の反動がルームエアコン需要に見られたほかエアコン用途以外の分野も低調。学校向けパッケージエアコンは引き続き堅調。
黄銅棒は1万4,302トン。前年同月1万5,137トンの94.5%で5か月連続の前年同月比マイナス。前月比は98.3%。住宅設備関連のガス機器や水栓金具は需要期にあるが例年に比べ動きが鈍く低調。バルブ類は底打ち傾向。
19年暦年の年間生産量(速報)では総量が75万3,005トン。前年の81万9,768トンの91.9%で2年連続の前年割れとなった。主要品種では銅条が25万0,776トン。前年の26万9,934トンの92.9%で4年ぶりのマイナス。黄銅条は9万7,608トン。前年の10万8,238トンの90.2%で4年ぶりのマイナス。青銅板条は2万4,536トン。前年の3万2,082トンの76.5%で2年連続のマイナス。銅管は10万6,881トン。前年の11万3,721トンの94.0%で2年連続のマイナス。黄銅棒は17万5,391トン。前年の18万8,397トンの93.1%で2年連続のマイナス。
合わせて公表された19年11月の伸銅品出荷推移では、伸銅品出荷の総量は6万1,244トン。前年同月の7万0,598トンの86.8%で13か月連続のマイナス。前月比は96.0%。業種別で見ると建設業はプラスであったが、他はすべてマイナスとなっている。内需向けは12か月連続のマイナス。輸出は13か月連続のマイナスになっている。