神鋼商事株式会社の2020年3月期第3四半期(2019年4月1日~同年12月31日)の連結業績は、連結経営成績で、売上高が前年同期比0.5%増の7163億27百万円、営業利益は同8.1%減の58億73百万円、経常利益は同18.7%減の53億68百万円となった。保有する有価投資証券のうち実質価格が著しく下落したものを特別損失として4億63百万円計上したことなどにより、親会社株主に帰属する四半期純利益は同23.1%減の31億22百万円だった。
セグメント別の営業状況をみると、鉄鋼は、鋼板製品の取扱量・価格とも、国内向けは横ばいとなったが、輸出向けはともに下落。線材製品は、国内向け取扱量が横ばいとなり価格は上昇したが、輸出向けが取扱量・価格とも横ばいに。売上高は2450億41百万円で前年同四半期比1.0%増となったが、海外子会社などの減益の影響によりセグメント利益は26億29百万円で同25.3%減となった。鉄鋼原料は、輸入の取扱量が増加し価格も上昇したが、合金鉄は取扱量が減少。売上高は2302億2百万円の同4.5%増となったが、海外子会社による取扱量減少の影響によりセグメント利益は5億55百万円で同35.6%減と落ちた。
非鉄金属は、銅製品は空調用銅管の取扱量が学校用空調の需要好調により増加したが、自動車向け端子材用銅板条は在庫調整及び半導体需要の低下により取扱量が減少した。アルミ製品は半導体向け及び液品製造装置向け厚板の取扱量が減少したが、自動車向けアルミ条板の取扱量は増えた。非鉄原料は銅スクラップの取扱量は増加したが、アルミ再生塊の取扱量は減少。この結果、売上高は1526億44百万円で同8.1%減、セグメント利益は10億42百万円で同23.1%減となった。機械・情報は、機械製品の真空成膜装置及び産業用ブレーキの取扱いは減少したものの大型圧縮機などは増加。情報関連商品は液晶用材料の取扱いは減少したが、HD関連機器及びPC部品は増加した。これにより売上高は505億51百万円、同8.0%増、セグメント利益は9億8百万円で同11.7%の増加となった。また溶材では、化工機向け取扱量が減少したものの造船向けは横ばいとなり、建築鉄骨及び建設機械向けは堅調に推移。溶接関連機器は汎用溶接機及び鉄骨溶接ロボットシステムの取扱いが堅調に推移し、また生産材料は溶材原料の取扱量も堅調だった。この結果、売上高は341億5百万円、同4.1%増となり、セグメント利益は2億85百万円で同133.7%増と伸びた。
2020年3月期の連結業績予想(2019年4月1日~3月31日)としては、売上高が対前期比2.9%増の9800億円、営業利益は同12.9%減の69億円、経常利益は同12.7%減の70億円。親会社株主に帰属する当期純利益は同8.3%減の46億円とみている。
財政状態については、第3四半期連結会計期末の総資産は、受取手形、売掛金などの減少により、2979億84百万円、前連結会計年度末比で96億6百万円の減少。同負債合計は、支払手形、買掛金などの減少により、2042億81百万円、同123億87百万円の減少。純資産は、親会社株主に帰属する四半期純利益の計上などにより同577億2百万円、同27億80百万円の増加となった。