一般社団法人日本伸銅協会(JCBA)は、このほど、伸銅品生産・出荷動向の2019年12月速報をまとめ公表した。これによると、生産は60,146トンで、対前年比8.2%減、対前月比2.5%減。これで前年同月比は13か月連続の減少となった。全14品種中、対前年比で増加したのは銅板、黄銅板の2品種。一方、出荷量(11月出荷)は61,244トン、対前年同月比は13.2%減で、同様に前年同月比は13か月連続の減少となった。建設業は対前年度比で増加したが、それ以外は減少。内需向けは12か月連続の前年比減で12.1%減、輸出向けも13か月連続対前年比減の19.0%減となった。
生産の主要品種動向としては、板条は、銅条が19,661トンで11か月連続対前年比減の7.9%減、対前月比は4.4%減。半導体のIC分野に加えディスクリート分野でも回復が散見されるが、総量回復まではつながっていない。自動車端子・コネクタは地域、車種によりまだら模様で弱含み。黄銅条は7,395トンで同様に11か月連続対前年比減の15.8%減、対前月比は5.6%減。海外自動車メーカーなどの調整に加え、電子部品出荷の世界的な低調により民生用コネクタが低迷。青銅板条は2,046トンで17か月連続対前年比減の12.6%減、対前月比は7.7%減。スマートフォン向け需要は回復傾向となっているが、デジタル家電等の需要が世界的に低迷している。
また、銅管は8,671トンで5か月連続対前年比減の7.2%減、対前月比は0.8%減。ルームエアコン需要は消費増税後の反動減が見られたほか、エアコン用途以外の分野が低調。パッケージエアコンの学校向け案件は堅調。黄銅棒は14,302トンで5か月連続対前年比減の5.5%減、対前月比1.7%減。住宅設備関連のガス機器や水栓金具は需要期ながら例年に比べ動きが鈍く低調。バルブ類は底打ち傾向。
2019年の生産速報量は、753,005トン、対前年比8.1%の減で、2年連続の対前年割れ。銅板と黄銅板が対前年比プラスしたが、その他の品種はマイナスとなった。各速報量は次の通り。銅条250,776トン、対前年比7.1%減、4年ぶりの減▽黄銅条97,608トン、対前年比9.8%減、4年ぶりの減▽青銅板条24,536トン、対前年比23.5%減、2年連続の減▽銅管106,881トン、対前年比6.0%減、2年連続の減▽黄銅棒175,391トン、対前年比6.9%減、2年連続の減。