共英製鋼は、米国のAIP MCホールディングスが保有するMoly-Cop AltaSteelの一部、カナダで行っている鉄鋼事業関連資産を取得する、と発表した。買収価額は約155億円。
日本国内の鉄鋼需要が長期的には減退することが予想される中、同社は海外鉄鋼事業を成長戦略における重要な事業の柱の一つと位置付け、現在は「世界3極体制」の下、ベトナムおよび米国で事業を展開している。2020年度を最終年度とする中期経営計画においても「海外鉄鋼事業の出荷量の増加・収益力の向上」を掲げ、海外出荷量 220 万トン体制の構築とトン当たり利益の改善により海外鉄鋼事業の利益を全体の3割程度まで引き上げることを目標としている。
北米エリアの事業については、2016年末に橋頭堡として米国テキサス州でVinton Steelを取得後、事業規模等の観点から事業拡大の機会を模索していた。今回、買収の機会を得たAltaSteelの拠点(関連資産)は、カナダ・アルバータ州エドモントンでカナダ西部唯一の電炉メーカーとして着実な事業を展開しており、検討の結果、同資産の買収は同社の事業構想に合致し世界3極体制の進化に資するものと判断した。 また、AltaSteelはVintonと同じく鉱山向け鉱石粉砕鉄球用母材の製造・販売を手掛けており、AltaSteel関連資産の買収により、Vintonとの連携を図り、同社グループの北米における鉄鋼事業のさらなる強化をめざす。