産学連携で次世代アルミニウムイノベーションを推進
UACJと北海道大学が産業創出講座を開設
UACJと北海道大学は、北海道大学産学・地域協働推進機構に産業創出講座を開設する。アルミニウムのリーディングカンパニーのUACJとアルミニウムに関して研究実績が豊富な北海道大学が提携し、革新的なアルミニウム材料の創出を目指した研究開発を通してアルミニウム産業の発展と業界における新規人材の育成を図っていく計画だ。
産業創出講座は、北海道大学が民間企業等と共通課題について一定期間継続的な共同研究を実施することで社会的に付加価値の高い産業を創出し、イノベーションを推進することを目的とする制度。UACJは、技術力でアルミニウム素材の力を引き出し、持続可能で豊かな社会の実現に貢献することを企業理念に掲げ、研究開発に取り組んでいる。アルミニウムは高い熱伝導率や高い比強度(単位重量当たりの強度)、低い電気抵抗、高い酸素バリア特性や優れたリサイクル特性など多くの工業的に優れた特性を有し、幅広い産業分野での展開が期待されている。特に近年では、環境負荷低減のため、輸送機器の軽量化を目的にした材料として世界的に注目され、自動車パネル材や構造材での利用が拡大している。これまで、UACJと北海道大学は、多くの共同研究を実施してきたが、これらの研究を発展的、包括的に実行していくため、産業創出講座の設置の検討を進めてきた。
今回設立する産業創出講座では、UACJが100年以上積み重ねてきたアルミニウムの多様な用途に関する製品開発や利用技術開発力、材料設計・生産プロセスに関する材料基盤技術開発力と、北海道大学で連綿と受け継がれてきた材料学、電気化学における学術的知見を組み合わせ、社会的に高い付加価値を持つ材料を創出し、社会イノベーションに貢献することを目指す。