東京商品取引所(TOCOM)は、このほど、2020年3月の概況を発表。全商品の1日平均取引高は167,431枚、前月比は62.6%増となった。
主力商品の金標準取引は前月比78.3%増の86,109枚、白金標準取引は前月比91.6%増の22,926枚)、ドバイ原油も同19.8%増の23,979枚など、ほぼすべての上場商品の取引高が増加した。
金相場は、月初の9,680円から1,876円まで急落した後、9,600円台まで切り返す展開になった。新型コロナウイルス感染の影響で市場環境が極端に不安定化するなか、リスク許容度を超えたと判断した大口投資家がリスク資産・安全資産を問わず持高調整を進めたため金相場も急落した。しかし、月末にかけてはボラティリティ環境が落ちつきをみせ、さらにはFRBがゼロ金利政策と無制限の量的緩和を決定したことで一気に切り返した。
ドバイ原油相場は、3万9,000円水準から一時2万910円まで急落する展開になった。新型コロナ対策で人や物の移動が制限されるなか、輸送用エネルギー需要の落ち込みが強く警戒された。そのうえ、このタイミングでサウジアラビアなどが1月以降の増産方針を示したため、「価格戦争」に対する警戒感が台頭し、2016年1月以来の安値を更新している。株価急落など投資環境の不安定化も原油価格の下押し要因になった。
3月末時点の全商品の合計取組高は262,391枚で、前月末比37,711枚(12.6%)減少した。