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5G・IoT機器向けキャリア付き極薄銅の量産開始三井金属

5G・IoT機器向けキャリア付き極薄銅箔MicroThinの量産開始
三井金属

三井金属は、キャリア付き極薄銅箔MicroThinの新規製品となるMT-GNの量産出荷を開始した、と発表した。
MicroThinは、微細回路形成に適した極薄銅箔(厚み1.5μm~5μm)とそれを支持するキャリア銅箔(厚み12μm、18μm)で構成されている。1300mmまでの広幅でロール出荷ができることや、キャリア剥離強度の安定性に優れていることから顧客の生産性向上と工程歩留向上に寄与できるため、高い評価を得ているという。

新規に開発したMT-GNは、樹脂基板との密着性は同社のフラッグシップであるMT-FLと同等ながらも、粗化コブサイズを約1/3に低減させた低粗度銅箔。すでに次世代の超低伝送損失をもつ樹脂基板と組み合わせた採用評価が終盤まで進んでいる。今後、より高速通信化が進む5G・IoT製品向け、また、より微細化が進むMSAP(Modified Semi Additive Process) 工法を用いた回路基板向けとしての効果が期待される。

伝送損失の低減による信号品質の向上

5G・IoT機器ではサブ6GHz帯(3.7GHz帯、4.5GHz帯)や準ミリ波帯(28GHz帯)等が、ADAS(先進運転支援システム)・自動運転用センサーではミリ波帯(77GHz帯)等が利用されるが、利用周波数が高くなるほど、伝送損失(信号の減衰)が大きくなり信号品質が低下する。低粗度化することで伝送損失が小さくでき、製品の信号品質が大きく向上する。

エッチング量低減による微細回路形成性の向上

MicroThinを使用した回路形成には、主にMSAP工法が用いられるが、粗化コブが小さいためエッチング量が低減でき、より微細な回路形成が可能となる。また、MSAP工法を用いることで従来のエッチング工法より、プリント基板内での回路幅バラツキが小さくでき、回路のインピーダンスが設計通りにコントロールでき、さらなる信号品質の向上が期待できる。

日刊金属

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