住友金属鉱山は、さきごろ、東北大学と、2050年に向けたビジョン共創型パートナーシップに基づく取り組みを開始したと発表。“太陽エネルギー社会”の実現というビジョンの達成に向け、共同研究を通じて研究者が夢を持ちながら課題に取り組むマインドを育成するとともに、革新的な材料科学の創生で地球規模のエネルギー・環境問題の解決に貢献することを目指すという。
ビジョン共創型パートナーシップとは、「太陽エネルギーで地球のエネルギー需要をまかなう」という日本および世界が目指すべき未来社会の姿(ありたい姿)と、「革新的な材料科学の創生を通して“太陽エネルギー社会”を実現する」という担う役割(ビジョン)の達成を目的とした取り組みで、東北大学が従来他企業とも進めてきたもの。今回、長期的な視野での取り組みという活動趣旨に鑑み、研究開発や人材育成で長年の共同実績がある住友金属鉱山と取り組みを開始するに至った。
2018年度から2年間議論を重ね、2050年をターゲットとした「ありたい姿」と「ビジョン」が策定された。そのバックキャスティングから見える具体的なステップを、材料系素材の共同研究開発、事業化、社会実装と進め、これを実現することで新たな価値の創造を目指している。
ビジョン達成に向けた具体的な3つのステップとして、①研究シーズ育成:東北大学若手研究者の有望な研究シーズを住友金属鉱山の強みを活かして取り組み、共同研究を実施、機能の発現、実用化の可能性を検討。②実用化研究開発:開発素材の最終用途に向けた応用研修の実施、他大学や国立研究開発法人等との連携も含め最終用途への橋渡しを企画。③社会実装:川下産業と連携、新たな太陽エネルギービジネスの創生を目指す。
2020年4月より、既に第1ステップの共同研究を開始しており、東北大学の材料科学における幅広い知見と発想力、住友金属鉱山が有する資源開発、非鉄金属製錬、機能性材料の3事業が連携した金属系材料の研究開発力を活かして取り組みを進めるという。「短期的な成果にとらわれない夢のある研究を通じ、若手研究者のモチベーション向上や人材育成に資することを期待」、革新的な材料開発によるビジョンの達成と社会への貢献を目指している。